「涼宮ハルヒの憂鬱」のアニメでも問題作・話題作ともいえる「エンドレスエイト」。エンドレスエイトの謎についてまとめました。
【涼宮ハルヒの憂鬱】エンドレスエイトについて
「エンドレスエイト」のあらすじ
夏休み。SOS団は様々な活動を行う。しかし涼宮ハルヒは「うーん。こんなんでよかったのかしら」と心残りに感じ無意識に時間をループさせてしまう。8月17日~8月31日の2週間を15498回(アニメでは15532回目)ループさせたあと、また同じように帰宅しようとしたハルヒにキョンがとった行動とは…?
「エンドレスエイト」ネタバレ・2週間の主な日程
夏休みがエンドレスで繰り返されるわけですが、おおまかな2週間の日程は次の通りです。
8/17 (月) | プール |
---|---|
8/18 (火) | 盆踊り・金魚すくい |
8/19 (水) | 昆虫採集 |
8/20 (木) | アルバイト(ループしている事実を知る) |
8/21 (金) | 天体観測 |
8/22 (土) | バッティング練習 |
8/23 (日) | 花火大会 |
8/24 (月) | ハゼ釣り |
8/25 (火) | 肝試し |
8/26 (水) | 海水浴 |
8/27 (木) | 映画のハシゴ |
8/28 (金) | ボーリング |
8/29 (土) | カラオケ |
8/30 (日) | 野鳥観察 |
8/31 (月) | キョンが???に気付かないと17日に戻されてしまう |
(繰り返す回によっては、エンドレスが発覚しなかった回があるように、場合によっては発生しなかったイベントもあるようです)
盆踊りに行かなかったパターン 2回(2,391回目と、11,054回目)
金魚すくいをしなかったパターン 437回
アルバイトを行ったパターン 9,025回~9,056回
そして
キョンの宿題を手伝ったパターン 1回。
この1回が夏休みのエンドレスからの脱却になりました。
アニメ版では賛否両論が巻き起こった作品
「涼宮ハルヒの憂鬱」での他タイトル1話が大よそアニメも1話である事を考えると、エンドレスエイトは極めて異質な構成であった事が解ります。
待望のアニメ2期が披露された時、全28話の内、その半分が1期の再放送である事はまだ(分割2期だったとして)察するにしても、新作14話中の8話が全てエンドレスエイトである事実は、ファン含む視聴者が混乱をきたしても致し方無いと思われます。
エンドレスエイトの謎「解決に向けて必死さがない?」
ループ発覚後のキョンたちはなぜ解決しようとしないのか?
涼宮ハルヒたちを取り巻く世界が
「8月17日から8月31日までの約2週間をループしている」
ということが、アニメ版では遅くてもループ15498回目の8月20日深夜に発覚。
しかし、21日以降に「どうにかして、このループを終わらせよう!」という動きが見当たりません…
長門、古泉、朝比奈、キョン、それぞれがなぜ積極的に、かつ、必死に無我夢中でループ脱却の解決のために動かなかったのか?をまとめました。
長門の立場「私の役目は観測だから」
長門はシリーズを通じてとにかく「観測者」という立場です。
ですので直接的に関与することはありません。
とはいえ、時間に換算すると原作では500年以上、アニメだと600年以上も夏休みを過ごしていたのかと…想像しただけでやるせない気持ちになりますね…(;;
エンドレスエイトのせいで、長門の中にバグが貯蓄していった可能性も、「消失」につながった可能性もありそうです…
古泉の立場「ハルヒが世界を破滅さえしなければいい」
古泉の立場を簡単に言ってしまうと「ある”機関”の差し金で送り込まれた『涼宮ハルヒのストレス発散&処理係』」です。
ハルヒがフラストレーションを溜めたりすると、閉鎖空間に「神人」が現れます。古泉はじめ“機関”が世界を破壊しようとするのを阻止するために閉鎖空間で神人と戦っています。
さらに、閉鎖空間で神人が暴走しないよう、現実世界でも涼宮ハルヒのご機嫌を取る立場でもあるのが古泉…。
「この世を揺るがすようなことをしなければいい」
夏休みが繰り返されている状態は、ハルヒが「何かをやり残している、何かに納得していない」からーーしかしながらハルヒの閉鎖空間は「平和」なわけです。
繰り返される夏休み、という状態は、世界の滅亡に直結していない(閉鎖空間で神人が現れていない)のだから、下手にハルヒを刺激して、神人が暴走したり自分たちが陥ってる状況がバレたりするよりは、成り行きに任せていた方がよい、という判断が古泉および“機関”の総意だった可能性があります。
朝比奈の立場「何もできない」
未来人の朝比奈さんは、夏休みがエンドレスであることが判明するたびに号泣です。精神的ダメージは長門とともに1,2を争う「被害者」ではないでしょうか。
朝比奈さんの場合は「何もしなかった」のではなく「何もできなかった」と言った方が正しいのかもしれません。
理由ですが、朝比奈さんは未来からの関与者というだけで、その未来からの関与・指令・つながりも、繰り返される夏休み中には一切遮断された状態。
「未来に帰れなくなった」
とも言っています。
つまり朝比奈さんの能力(時間遡行等)は全く使えず、言ってしまえばキョンと同じ立場・普通の人間状態です。
そのため、メンタルにダメージを負った後は「何もできない」「どうしていいか分からない」状態なので、普通に過ごす・キョンに任せるしかないわけです。
キョンの立場「次の自分に任せればいいか」
「夏休みがエンドレスしている」「しかも1万回以上も」「ハルヒが夏休みに何か心残りがある」
という状態を知って愕然とするものの、だからといって表立って目立つ行動には移していません。
一体何が?と考えたり思考を巡らせる場面は書かれているものの、そこには焦りや必死さは見られません。
ひとえに「何かしらの既視感・違和感は感じるものの、記憶がリセットされる」「これといった実害が感じられない」「どうせまた繰り返されるのだから、次の自分に任せるしかない」といった『安全は確保されている』ために焦る必要がない状態だからではないでしょうか?
これが観測者の長門と同じ立場(記憶を持ったままリセットされる)だったら、気が狂いそうになり、抜けだすことに必死になりやすかったのかもしれません。
さらに自分の感じる「既視感」デジャブは過去の自分の積み重ねであることも理解しているので、今の自分が次の自分につながることも理解している状態のため、今の自分が体験してきた残滓みたいなものにも期待していた可能性もあります。
4人の総意「とにかくハルヒにやりたいことをやらせる」
毎回記憶がなくなるものの、「ハルヒは夏休みに心残りがあるためにループしている」ということだけは毎回認知できています。
ですので「とにかくハルヒが提案した行事・イベントはすべて乗っかる」うえで「ハルヒに疑われない、不満を持たれないようにする」となると
通常通りに過ごすことが、とりあえずの最適解
となっていたのではないでしょうか?
エンドレスエイトの謎・ループ解決のために行動したことは?
古泉からのアドバイス
唯一、夏休みループを脱出するための言葉を交わした相手といえば古泉くらいでしょうか。
古泉「耳元で『I love you』をささやくんです」
「ハルヒの耳元で愛をささやく」
という提案に、キョンは全否定をしましたが。
宿題とハルヒ
多くの人が体験するであろう「宿題が終わらない!」
ハルヒは優秀すぎて「宿題なんて3日で終わる」タイプのため、
夏休み最終日に友人たちと宿題を写し合ったり夜中までヒーヒー言いながら勉強する…
といったことは、一ミリたりとも自分の頭では思いつかない「イベント」でした。
「これぞ『夏休みの終わり』なのね!!」
初めての体験に納得したのか、夏休みエンドレスはこれで終わりました。