『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』では、300年前に起きた「厄災戦」で猛威をふるったモビルアーマーを止めたのが、ガンダムフレームであったと語られています。
この厄災戦から300年が経過した火星を舞台に、主人公である三日月・オーガスは、ガンダム・バルバトスとその起動に欠かせない「阿頼耶識システム」を駆使して、ギャラルホルンのモビルスーツを圧倒していきます。
そのバルバトスに対して、物語の第1期序盤から幾度となく戦いを挑んできたのが、アイン・ダルトンという人物です。
アインは戦闘の中で、上官であるガエリオを庇った際に致命的な重傷を負ってしまいました。
その後、アインは姿を変えて再登場しますが、モビルスーツと一体化しているような描写があり、多くの謎を残す存在となります。
本記事では、アイン・ダルトンの身体や脳の状態、そして彼が最後に迎えた結末について詳しく解説していきます。
アイン・ダルトンの脳や下半身は?
アインは阿頼耶識システムによる特殊な処置を受けることで、一命を取り留めることができました。
しかしその代償として、モビルスーツと接続された状態でなければ生命を維持できない体となってしまいます。
全身が健在というわけではなくなった彼は、その後どのように戦闘に関わっていたのか、どのように生かされていたのかを見ていきましょう。
ガエリオを守り致命傷を負った
アインが初めて登場したのは火星での戦闘でした。
彼はクランクの部下として、クーデリアを護衛していたCGSを襲撃する任務に就いていました。
しかし、その戦いの中でクランクは三日月に討たれ、アインは上官の死に大きな衝撃を受けます。
その後、ガエリオと出会い、自ら志願して彼の直属の部下となります。
アインは後に行われたバルバトスとの再戦において、ガエリオが窮地に陥った際、彼をかばって大きなダメージを受けます。
この時の傷は極めて深刻で、通常の医療では助からないほどの重傷でした。
頭部と両腕・胴体のみ残り、下半身は失われた
瀕死の状態となったアインを救う唯一の手段は、機械との融合でした。
一方ギャラルホルンでは、極秘裏に阿頼耶識システムの研究を進めており、生体とモビルスーツを直接接続する実験が行われていました。
そのタイミングとアインの状態が重なり、ガエリオの決断によって、アインはモビルスーツと直結されて延命されることとなります。
こうしてアインは、「グレイズ・アイン」という機体の一部として再生されました。
劇中ではグレイズ・アインのコックピット内部が描かれ、アインの上半身が羊水のような液体に浸された状態で存在していることが確認できます。
また、機体と直結するため、アインの下半身は存在せず、切断された状態のまま生かされていることが分かります。
専用機グレイズ・アインの生体パーツに(阿頼耶識システム)
液体に浮かぶアインの上半身には、阿頼耶識システムに接続するための無数のパイプがつながれており、その姿は生身の人間というよりも「機械の一部」と言えるものでした。
アインは延命に成功したものの、もはや人としての生活は不可能であり、モビルスーツを動かすための生体ユニットとしての存在に変わってしまったのです。
それでも彼は、ガエリオに感謝の言葉をかける場面がありました。
このように、命を賭してでも忠義を尽くそうとするアインの姿に、ガエリオ自身も深い感銘を受けていた様子が描かれています。
無表情のロボット化したしたものの感情はあるが
グレイズ・アインとなって再登場したアインは、言葉を話すことはできたものの、表情に感情が表れることはなくなっていました。
彼の脳が発する信号を機械が処理し、行動に反映させている状態であり、実質的には人間というよりロボットのような存在となっていました。
尊敬する上官のため、そして組織のために戦い続けたアインの姿は称賛に値しますが、その実態は機械と変わらないものであり、悲しさを感じさせます。
アインの最後は?
アインはグレイズ・アインとして再びバルバトスと戦う機会を得ます。
戦いの序盤では、アインが優勢に立つ場面もありました。
しかし、最終的には三日月とバルバトスの圧倒的な戦闘能力に押され、敗北することになります。
生身の身体を捨て、機械として戦う道を選んだアインでしたが、その結末はどうなったのでしょうか。
最後は死亡した経緯
モビルスーツの一部として生かされていたアインは、かつての上官クランクが使用していたグレイズを改造し、その機体を取り戻すために行動します。
その過程で、シノが搭乗する流星号を発見し、強引に排除しようとする異常な執着心も見られました。
やがてバルバトスとの戦闘に突入し、序盤はアインが優勢に戦いを進めていました。
しかし、三日月が阿頼耶識システムの出力を限界まで引き上げ、自らの身体に負担をかけることをいとわず反撃に出たことで、戦局は一変します。
最終的にバルバトスの太刀がアインのコックピットを貫き、グレイズ・アインごと撃破されてしまいました。
これにより、アイン・ダルトンは完全に死亡することとなりました。
脳はガンダム・ヴィダールに移植
バルバトスとの戦闘に敗れ、命を落としたアインでしたが、その物語はここで終わりではありませんでした。
アインが命を賭して守った上官ガエリオは、第2期でガンダム・ヴィダールに搭乗します。
その機体には、阿頼耶識システムの疑似的な機能を実現するために、アインの脳の一部がコアとして組み込まれました。
これにより、パイロットであるガエリオ自身が手術を受けなくても、阿頼耶識と同等の性能を発揮できるようになったのです。
ヴィダールはその後の戦いで大きな役割を果たし、マクギリスとの決着や事件の終息に貢献します。
このように、アインの忠誠心と決死の行動は、後に訪れる平和への道を切り開くことに繋がっていきました。
彼の想いや存在は、物語の中で確かに生き続けていたと言えるでしょう。