『ヴィジランテ』は、『僕のヒーローアカデミア』のスピンオフ作品として描かれ、全15巻で完結を迎えました。
本作の主人公は、心優しく行動力のある青年・灰廻航一(コーイチ)です。
彼はプロヒーローを志していましたが、ある事件がきっかけでその道を断たれてしまい、のちに無免許の自警活動「ヴィジランテ」として街を守るようになります。
そんなコーイチのもとに、地下アイドルの少女・ポップが仲間として加わり、物語が動き出していきます。
2人は、それぞれの個性「滑走」と「跳躍」を活かしながら、ナックルダスターと共にヴィランに立ち向かっていきます。
この物語の中で、コーイチとポップの関係性は多くの読者の注目を集めました。
ポップは物語序盤からコーイチに好意を抱いており、その恋の行方が気になる読者も多かったことでしょう。
今回は、ポップとコーイチの関係がどのように描かれていたのか、そして2人は結婚に至ったのかを考察していきます。
※この記事では結末に触れる内容を含みます。未読の方はご注意ください。
ヴィジランテ・ポップが結婚したかは不明
最終回では結婚の有無は明かされず
結論から申し上げますと、『ヴィジランテ』の最終話において、ポップがコーイチと結婚したかどうかは明確には描かれていません。
左目を失うヒロイン
ポップは、No.6との激戦で重傷を負い、自身の左目を失うという結末を迎えました。
ヒロインでありながら、闇を抱えた存在として複雑な役割を果たしており、その恋の行方もまた明確には示されないまま物語が終わっています。
多くの読者がポップとコーイチの関係の進展を期待していたものの、その結末は読者の解釈に委ねられる形となりました。
ヴィジランテ・ポップとコーイチの関係
最後はコーイチとメールするシーン
物語の終盤で、ポップとコーイチがやり取りするシーンが描かれています。
No.6との激しい戦いで重傷を負ったポップは、一命を取りとめた後、懸命なリハビリによって日常生活を取り戻します。
一方のコーイチは、個性の成長と活躍を経て、日本からアメリカへと拠点を移し、ヴィジランテとして新たな活動を始めています。
2人は距離を隔てながらも、メールを通じて定期的に連絡を取り合っており、その様子が最終話で描写されています。
ただし、メールの内容は詳細には語られておらず、あくまで近況報告程度のやり取りに留まっているようです。
そのため、2人の間に特別な進展があったかどうかは明らかになっていません。
お互いに大切な存在であることは伝わりますが、恋愛関係に発展したとは断言できない描写でした。
コーイチには想いを伝えていない
ポップは、作中でコーイチに自分の気持ちを直接伝えることはありませんでした。
2人の出会いは5年前にさかのぼります。
川で溺れていたポップを、コーイチが助けたことがきっかけでした。
その後、偶然に再会したことから、ポップは彼に強く惹かれていきます。
しかし、過去に助けられたことを本人に打ち明けることができず、気持ちを秘めたまま過ごしていました。
その長い片想いは、ポップが抱える心の葛藤や苦しみの一因ともなっています。
No.6との事件でコーイチに再び救われた後も、ポップは自分が犯した過ちに強く責任を感じており、素直に気持ちを伝えることができないままでした。
罪悪感や自己嫌悪の感情が、恋愛に踏み出すことをためらわせていたのだと考えられます。
ヴィジランテ・ポップとコーイチは結婚していない?
別の道へ進み結婚していないと予想
物語の中では、ポップがコーイチに好意を告白する場面も、2人が結婚するような描写も描かれていません。
そのため、2人の関係が恋愛として成立したのか、読者の想像に委ねられた形で物語は幕を閉じました。
ポップはコーイチと結婚には至らず、別の人生を歩み始めた可能性が高いと考えています。
コーイチから恋愛関係への進展は難しいかも
もちろん、ポップが幸せな未来を迎えてほしいという思いはあります。
彼女にとっての幸せとは、おそらくコーイチと結ばれることかもしれません。
しかし、コーイチは非常に鈍感な性格であるため、ポップが積極的に行動しなければ、2人の関係が進展することは難しいでしょう。
ポップの責任感の強さが結婚を遠ざける可能性
また、ポップは自分の過去の行いに強く責任を感じており、それゆえに恋愛よりもまずは社会への償いや支援活動を優先すると考えられます。
そして、自身の想いに整理をつけながら、相手の幸せも願えるポップだからこそ、簡単に結婚という選択をするとは思えません。
2人の物語は終わりましたが、その後の未来については、読者一人ひとりが思い描く余地を残した結末となっていました。